Kazu Wakita Exhibition 脇田和展
鳥たち、慈しむものたち。
その心を確かめるために、
私はデッサンをする。

2023年6月17日(土)〜11月23日(祝/木)
*会期中無休(展示替え・イベント等の臨時休館日を除く)

鳥のメッセージ「鳥のメッセージ」
1998年 油彩・キャンバス

  • 鳥たち、慈しむものたち。
    その心を確かめるために、私はデッサンをする。

    広い世界に生きながら、いつもその片隅を見詰めている。小さい世界ではあるけれども、以外と強く生きているものの存在が其処にある。はっとするように心を打たれる生命感に目覚める。唯一枚の落ち葉にも。

    たとえば鳥を描く。
    その羽でもって自由に空を飛びまわるという夢を感じる。

    一時、アトリエの一隅は鳥籠で一杯であった。野鳥たちが室内を自由に飛び交う姿を見たいと思った。籠の中の鳥は不自然な姿であるから、思いきり翼を拡げて欲しかった。うっかりして一羽のシメが、隙間からにげて大空へ飛んでいった。その姿は生々として美しかった。

    日頃、身近に見るもの、手の届くところにあるもの、気心の知れたものと常に対話できるということが私には大事である。そしてこれらを自分により引きつけ、その心を確かめるために、私はデッサンをするのである。

    (作者の言葉より)
  • 花の中「花の中」
    1998年 油彩・キャンバス
  • 葉と果実「葉と果実」
    1989年 リトグラフ
  • 白い花とベラスケスの絵「白い花とベラスケスの絵」
    1929年 油彩・キャンバス
  • マニラの情景「マニラの情景」
    1943-44年 鉛筆・パステル・紙
  • 脇田和は、小磯良平や猪熊弦一郎らとともに新制作派協会を創立し、戦後は日米美術交流プログラムにも積極的に参加し、国内外で活動を続けていきました。身の周りの日常に注がれる温かなまなざしはいつもかわらず、さまざまな素材や技法への好奇心や、色と色が織りなす滑らかなリズムと美しさへの追求を、筆を置くその日まで止めることはありませんでした。
    本展では、脇田和が旧軽井沢に制作の居を移した1970年代から晩年までの作品を中心に、油彩、素描、コラージュ作品など、約100余点を展示し紹介していきます。
    その約80年に及ぶ画業の集積を美術館の空間の隅々で楽しむことができます。
  • メロンと鳥「メロンと鳥」
    1986年 油彩・キャンバス
  • 略歴

    脇田 和 KAZU WAKITA (1908−2005年)
    1908(明治41)年東京生まれ。15歳の時ベルリンに渡り、17歳でベルリン国立美術学校に入学。1930(昭和5)年同校より金メダルを贈られ帰国。1932(昭和7)年太平洋画会初入選。以後、光風会、帝展などで受賞を重ねる。1936(昭和11)年猪熊弦一郎、小磯良平らと新制作派協会(現・新制作協会)を設立。戦後、1950年代にはサンパウロ・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレ等に出品。「あらそい」が第1回グッゲンハイム国際美術賞に輝いた。1959〜70年東京藝術大学で教鞭をとる。1970(昭和45)年、軽井沢に吉村順三設計によるアトリエ山荘が完成。1991(平成3)年『脇田美術館』を開設。1995( 平成7) 年〜2012(平成24)年、東京・第一生命本社ビルに脇田和作品常設ギャラリー。2005(平成17)年11月27日永眠。1991(平成3)年旭日小綬章。1998(平成10)年文化功労者。2005(平成17)年従四位を追賜。
  • Biography

    KAZU WAKITA (1908−2005)
    Born in Tokyo in 1908. He had a chance to move to Berlin at the age of 15 and entered the National Art School of Berlin at the age of 17. He was awarded a gold medal from the school in 1930, and returned to Japan. He was awarded his first prize at the Taihei Youga Kai in 1932, followed by many awards at Kofukai and the Imperial Fine Arts Academy Art Exhibition (Teikoku Bijutsu-in). Founded Shin Seisaku-ha Kyokai (currently Shin Seisaku Kyokai) with Ryohei Koiso and Genichiro Inokuma. After the war, in the 1950s, his works were exhibited at the Sao Paulo Biennale, the Venice Biennale, etc. He won the first Guggenheim International Art Award. He taught at Tokyo University of the Arts from 1959 to 1970. Atelier Villa designed by Junzo Yoshimura was completed in Karuizawa in 1970. “Wakita Museum of Art” was opened in 1991. A permanent gallery of Kazu Wakita's works was open at the Dai-ichi Life Headquarters Building in Tokyo, from 1995 to 2012. He passed away on November 27, 2005. His contributions were recognized with The Order of the Rising Sun in 1991, and Person of Cultural Merits in 1998. He was raised to Junior Fourth Court Rank after his death.

開催概要

展覧会名称 Kazu Wakita Exhibition 脇田和展
主催 一般財団法人 脇田美術館
開催期間 2023年6月17日(土)〜11月23日(祝/木)
*会期中無休(展示替え・イベント等の臨時休館日を除く)
開館時間 午前10時〜午後5時(7月1日〜9月1日までは午後6時/入館は閉館30分前まで)
入館料 一般1,000円(900円)、大高生600円(500円)、
中学生以下 無料
*()内は20名様以上の団体料金です。その他の割引につきましてはお問い合わせください。
アートプログラム ●「鳥と奏でる チェロコンサート」7月15日(土)※参加費有料
●「建築ワークショップ/アトリエ公開ウィーク」開催(予定)
アクセス ・ 電車 JR しなの鉄道、軽井沢駅より旧軽井沢銀座方面へ徒歩10分
・ 車 上信越道 碓氷軽井沢インターより国道18号線を軽井沢方面へ入る
所在地 〒389-0102 長野県軽井沢町旧道1570-4
アクセスマップはコチラ
電話番号 0267-42-2639
Karuizawa@wakita-museum.com